【訪問看護の現場から】“爪が切れた!”

──へバーデン結節の痛みと向き合って

こんにちは。全力全力善会訪問看護ステーションの榎本です。
この「訪問看護日誌」では、日々の訪問の中で感じた小さな感動や、利用者さんの前向きな姿を綴っています。


この日訪問したのは、指の痛みに悩まされている女性の利用者さん。
医師から**へバーデン結節(へバーデンけっせつ)**と診断され、
指先に物が当たるだけで激しい痛みが走るとのことでした。

「怖くて爪が切れないんです」と、お話してくれたその表情には、不安と諦めが入り混じっていました。
娘さんも「都内の専門医まで連れていった方がいいのか」と悩まれており、
ご家族の心配もひしひしと伝わってきました。


私たちは、関節に負担をかけないよう注意しながら、
手指のストレッチと血流を促すリハビリを丁寧に実施しました。
指の可動域を少しずつ広げ、痛みの出にくい姿勢や動かし方を一緒に確認していきます。

その後、利用者さんがふと笑顔で言いました。
「痛くなく爪が切れたのよ!」

たったそれだけのことかもしれません。
でも、その“できなかったことができる”瞬間こそが、訪問看護のやりがいです。
私も本当に嬉しくなりました。


これからも、一人ひとりの生活に寄り添いながら、
「その人らしい動作」や「日常の笑顔」を取り戻せるよう支援を続けていきたいと思います。

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