─脳梗塞後遺症・リウマチを抱える利用者さんとの心温まる時間
こんにちは。全力善会訪問看護ステーションの榎本です。
この「訪問看護日誌」では、日々の訪問の中で出会う“人のあたたかさ”や“回復の瞬間”をお伝えしています。
10月某日の訪問で、忘れられない出来事がありました。
脳梗塞後遺症と関節リウマチの既往をお持ちの76歳の男性。
数か月前から尿が出にくくなり(尿閉)、導尿での対応を続けていました。
自然排尿がない日々の中でも、「いつかまた自分の力で出せるようになりたい」と前向きに話されていた姿が印象的でした。
そこで私たちは、骨盤底筋群のトレーニングと軽いストレッチを取り入れることに。
最初はなかなか変化が見られませんでしたが、少しずつ体に変化が現れ、
ある日――
「出たよ!自分で!」
その一言に、私も思わず笑顔になりました。
導尿に頼らず自然排尿ができた、その喜びは何よりも大きなものでした。
余談ですが、その方がふと笑いながら
「巨人・大鵬・卵焼きって言葉、知ってる?」と話してくれたんです。
思わず私も笑ってしまいました。
体が思うように動かない中でも、温かいコーヒーを淹れて訪問を待っていてくださる姿に、
こちらが元気をもらっています。
訪問看護の現場では、病気や症状と向き合うだけでなく、
人と人との“つながり”や“笑顔”が支えになることを日々感じています。
これからも、身体だけでなく心にも寄り添うケアを大切に、
一人ひとりの「その人らしい生活」を支えていきたいと思います。

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