こんにちは。全力善会訪問看護ステーションえのもと代表の榎本です。
今回は、訪問看護の仕事をしていて“葛藤”を感じた出来事を記しておきたいと思います。
脊髄損傷の後遺症で、腕や指が思うように動かない利用者さま。
ある日、電子ケトルを使おうとして火傷を負ってしまいました。
「自分でできることを続けたい」という気持ちは痛いほど伝わります。
それでも、安全のために電気ポットへの切り替えを提案しました。
しかし、そこで新たな壁が見えてきました。
誰が電気ポットを買いに行くのか。
奥さまは重度の認知症。
隣に住む弟夫婦とは関係がうまくいっておらず、頼ることもできません。
訪問介護による生活援助でも、物品の購入までは対応が難しい。
少しずつ、自宅での生活に限界が近づいていることを、私たちも感じていました。
周囲では「ご夫婦で施設に入る方向で動いたほうがいいのでは」という声も上がり始めていました。
それでも——。
私はどうしても、心が動いてしまいました。
「もう少しだけ、この家で一緒に頑張れる方法はないだろうか」
そう思ってしまったのです。
訪問看護の現場では、「安全」と「自立」、**「現実」と「想い」**の間で揺れる瞬間が多くあります。
正解はありません。
ただ、その人が“どう生きたいか”を最後まで尊重したい——
その想いだけは、これからも変わらないと思います。
訪問看護を通して出会う一つひとつのご縁が、私にとって大切な学びです。
これからも、利用者さまやご家族の笑顔を支えられるよう、全力で寄り添っていきたいと思います。
今日も全力全快で頑張ります!

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